本年度は、児童期に実施した行動観察資料の詳細な会話および行動分析を実施した。その結果、ビデオ録画された家族のコミュニケーション(68家族)に関して、父親・母親・子どもの3者場面、夫婦2者場面、父子2者場面、母子2者場面の各場面ごとに発話内容および微笑やアイコンタクト等の行動指標と、質問紙調査によって測定された個々の家族メンバーの家族関係認知との間には関連があることを見出した。成果については平成11年度の日本発達心理学会で報告する予定である(3月29日、東京女子大学)。 また、思春期における追跡調査(出産後16年目、対象児童は中学1年生〜3年生)を開始した。現在(2000年3月現在)妊娠時より追跡を継続している約400家族に対して、父親・母親・子どもそれぞれを対象とした質問票を作成し、郵送によって配布・回収中である。内容は家族関係と、思春期に達した子どもの精神的健康や社会的適応に関する変数が中心となっており、今後児童期までのデータと結合し、最終的な結論を得る予定である。
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