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1997 年度 実績報告書

人工社会における秩序形成の分析

研究課題

研究課題/領域番号 09871033
研究機関埼玉大学

研究代表者

高木 英至  埼玉大学, 教養学部, 教授 (20163165)

キーワード人工社会 / 社会秩序 / コンピュータシミュレーション / 統合 / 社会分化 / 戦略の進化 / 基礎社会 / コミュニケーションネットワーク
研究概要

この研究のテーマは人工社会における秩序形成である。社会の「統合」と「分化」の側面を焦点として秩序を議論する。申請時に想定した作業は次の3つである。a.人工社会の仮想エージェントの作成、b.背景状況の作成、c.人工社会シミュレーション。そのうち平成9年度に予定していたのはaとbだった。
aについては、認知ルーチンと計画ルーチンからなる単純戦略モデルのエージェントをデザインし、集団実験事態(コミュニケーションネットワーク実験)のシミュレーションに適用した。その成果は「11.研究発表」の第一として公表した。なおこの報告は加筆訂正の上、現在投稿中である。
bについては、社会空間を升目のある2次元空間とし、升目ごとに資源が一定の関数で再生される状況(狩猟採集社会モデル)を作成した。Conte, R.による人工社会での規範のシミュレーションの状況を参考にした。
cの人工社会のシミュレーションは平成10年度の課題である。だが予備的作業は、以前からの「一般交換シミュレーション」の継続という形で既に進行させている。今年度に入ってからの研究分を含め、一連のシミュレーション結果は人工社会の秩序形成に関し、概ね次の結果を示した。利他性に基づく社会は統合の側面で次の傾向を示す。(a)弱者のサポートシステムの成立。(b)分配正義の創出。(c)社会的ディレンマの解決。また社会の分化の側面では次の傾向が生じる。(d)成員の集団標識別の下位社会への分割。(e)つきあいの階層化。以上の点については次の論文によりconferenceで報告した。
Takagi, E.1997, ‘Solving social dilemmas is easy in a communal society : A computer simulation analysis.' Paper presented at the 7th International Conference on Social Dilemmas at Cairns, Australia.
上記論文は加筆訂正の上、Social Dilemmasに関する本のchapterとしてsubmitしている。また以上のシミュレーション結果の社会学的含意を「11.研究発表」の第2としてまとめた。
以上のシミュレーション結果は非現実的な仮想に基づく面がある。そこで今年度作成した背景状況で以上の結果を再吟味するのが次年度の課題となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 高木英至: "コミュニケーションネットワーク実験とは何であったか?-シミュレーションによる分析" 日本社会心理学会大会発表論文集. 38. 70-71 (1997)

  • [文献書誌] 高木英至: "基礎社会の理論覚書" 埼玉大学紀要. 33(印刷中). 81-108 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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