本年度は研究の2年目として、初年度の調査結果を分析しつつ実際のテストバッテリーに相当する比較項目の確定のための文献研究を主に行った。その結果英語文献を2冊ほど検索でき、翻訳作業に入った。 また実践現場では、2000年開始予定の介護保険にむけて、介護支援専門員の試験がスタートし、大量のケアマネジャーの誕生によって、ケアマネジメントの変質を危惧する中で、ケアマネジメントを地域で担っている訪問看護婦や医療ソーシャルワーカーの動きの実際と意見について、聴取するための調査を前年の北海道札幌東札幌病院、帯広北斗病院にて行った。 またケアマネジメントを踏み込んで退院計画の一環としてのクリティカルパスの急激な普及に興味を持ち、クリティカルパスのケアマネジメントへの影響や、ソーシャルワーカーと看護婦の関与の仕方について、先駆的実践を行っている山口済生会病院、および熊本済生会病院、済生会中央病院などへの実地調査を行った。その結果クリティカルパスに看護職が適応する一方で、パスに乗れない対象者へのスクリーニングとしてソーシャルワーカーが、クリティカルパスを考えていることが判明した。 このことがケアマネジメント過程における看護と福祉の差異に影響することが予測された。 来年度の完結年度にむけては、昨年度郵送調査の結果を新たなケアマネジメント事情に反映する形で、新たな調査を行いテストバッテリーづくりに役立てたいと考えている。
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