このたびの研究補助のおかげにより、以下の美術館で調査を行うことができ、たいへん感謝しております。 藤田美術館(大阪市) 京都市美術館 徳川美術館(名古屋市) 豊田市美術館 愛知県美術館(名古屋市) また、これまでの調査によって得られながら集計が遅れていたデータにつきましても、研究補助金によって入力作業を行うことができました。これらの結果を97年10月に行われた日本社会学会第70回大会で発表することができました。さらに京都市美術館で行った調査では、地元マスコミから調査そのものに対する関心が寄せられ、98年3月に『京都新聞』紙上で調査の経緯と結果を発表することができ、反響を呼んでおります。 この京都市美術館での調査結果は、ちょうど平安神宮の鳥居をはさんで真向かいにある京都国立近代美術館で、以前行った調査結果と比較することにより、たいへん興味深いものとなりました。すなわち、 (1)京都市美の観衆は京都近美のそれに比べて男性の割合が多い。 (2)京都市美の観衆は京都市内からが半分以上で、2割程度の京都近美と対照的である。 (3)京都市美の観衆は友人どうしよりも夫婦や家族での来館が多く、よりアットホームな憩いの場となっている。 以上のように、立地条件の似た美術館ではあっても観衆の特徴に差があることを証明することができ、またそれを新聞紙上に発表できたことは、この研究補助金のおかげであり、大いに感謝いたします。
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