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1999 年度 実績報告書

セルフヘルプグループの中でも親の会に焦点をあて、その現状と課題、援助特性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09871043
研究機関武庫川女子大学

研究代表者

中田 智恵海  武庫川女子大学, 文学部・教育学科, 助教授 (80259473)

キーワードセルフヘルプグループ
研究概要

口唇口蓋裂児の親の内、親の会に入会している物を対象に1991年に実施したものに若干の修正を加えて調査を行った。前回に比して今回は医療の進歩のおかげで、医療に対する親の不安や葛藤はかつてほど大きくはないが、逆にチーム医療の徹底を希求していることが窺えた。各科が異なる治療方針や手術法を施そうとする中で親は戸惑いを感じている。親の会では情報は提供するが、選択は自己決定を原則としているため、依存的な親にとっては親の会は自己をエンパワメントする場ともなる。また、言語聴覚上が資格化され、今後、充実することを期待する向きも多く見られた。心理的な葛藤についての相談相手は専門職の中では言語聴覚上が最も高い。親の会で得られる項目は医療情報、親同士の共感の場の確保、地域社会で子どもたちが他児と何らかわることなく、受け入れられ生きていけるように親たちが協同して地域社会に理解を求めて広報する、と続く。セルフヘルプグループが困難を抱える人のニーズを如何に充足しているかを物語っている。詳細の分析については機会を得て発表予定である。この調査に関しては全国の親の会の協力を得られたのは総数の2割にもみたず、これを機にゆるやかに連携をしたい、という願いは実現しなかった。しかし、容貌の異形な人たちを対象とする「ユニークフェイス」というセルフヘルプグループは設立され、関西地区口唇口蓋裂口蓋裂児と共に歩む会とゆるやかに連携し、社会の価値観を変革する可能性を持つに至った。社会を変革するためには、より大きな組織である必要があり、身近な生活困難や情緒的な葛藤や苦悩の共有には、共通項目が多い近くの仲間との共有が求められることも明らかになった。これらを可能にするのがセルフヘルプグループという援助システムである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 中田 智恵海: "国内外のセルフヘルプ・グループの比較考察"武庫川女子大学文学部50周年記念論文集. 183-195 (1999)

  • [文献書誌] 中田 智恵海: "『社会福祉の理論』内「セルフヘルプ活動と社会福祉」"八千代出版社. 296(34) (2000)

  • [文献書誌] 中田 智恵海: "『社会福祉実践とアドボカシー』内「セルフヘルプ活動とアドボカシー」"中央法規出版社. 305(14) (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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