本年度は、まず手始めに、インターンシップを導入している先進的な教育機関での資料収集や、聞き取り調査に重点を置き調査研究を進めた。 これまでの調査で判明したことは、第一に、学生が自分の専攻や将来のキャリアに関連した職業体験を企業で行う、いわば産学協同教育であるインターンシップは、日本ではいまだ未発達であり、先進と呼べる教育機関は思ったより少ないということである。ただ、本格派が少ないとはいっても、京都の43大学が加盟する「京都大学センター」が産業界や近畿通産局と協力し、本格実施に向けて動き出している点は注目に値する。いずれにしても、通産局、労働省、文部省がそれぞれの見地からその必要性を指摘し、研究会を発足させてその導入に向けた動きが本格化したこともあり、導入する大学や企業も増えていることは間違いないと思われる。 北米の大学などでは、この制度は特に珍しいものではなく、学生も積極的に参加し、キャリアアップに活用しているが、今回レビューを受けたカナダのカピラノ・カレッジでは、すでに相当のレベルまで熟成されており、インターンシップを軸にした大学院レベルの二年コースが学生にも人気を集めており、環太平洋地域の人材育成を目標にその充実したプログラムと実績を見せていただくことができた。 本年度は、さらに国内、海外の資料を収集すると同時に、体験者からの聞き取り調査も広く行い、琉球大学の外国語専攻の学生を中心に導入可能なプログラムを考察してみたい。
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