本年度(平成9年度)の研究ではまず宮崎のデータ分析を昨年度の研究で構築した空間データべ-スに字界・水面などのデータを追加修正し字レべルの281地区を単位として粗大ゴミ生成の要因を分析した。粗大ゴミの生成量と一番相関があるのは人口であることは容易に推測されたが8年度報告でも指摘しておいたようにその相関の仕方が微妙に違うグループが確認された。利用可能な空間の量が粗大ゴミの生成と関係があるとの仮定に元づき人口密度・世帯密度と粗大ゴミ生成の関係を調べた。人口・世帯数の影響をコントロールするために粗大ゴミ発生の実数の代わりにそれを世帯数で割った粗大ゴミ発生率を分析に使った。この結果、地区ごとの単純世帯密度(世帯数/総面積)はある程度粗大ゴミ発生率と負の相関を持っていることがわかった。しかしこれ以上に粗大ゴミ発生と明確な傾向を示したのは(1)住宅地内での世帯密度と(2)1世帯当たりの「その他」地域の面積であった。このことは利用可能な身近な空間また周辺を含めた居住空間が粗大ゴミの生成に関係するということができる。 本年度研究の2つめの課題は比較のための都市を選定しデータを収集することにあった。そのためには粗大ゴミの収集形態が似ている都市を探すことが重要であった。宮崎市の環境業務課に協力を得て幾つかの都市の収集形態を検討したが宮崎市のように粗大ゴミを個別収集している自治体はなく唯一鹿児島市が概ね似た収集形態を取っていた。鹿児島市の環境局との交渉の結果鹿児島市旧市街地区は平成8年4月から12月まで、市南部の谷山地区については8年度6月から9年1月までの収集記録を分析のための提供を受けた。現在収集データの入力を行っいる。収集品目については宮崎市と鹿児島市では達いがありこれをどう処理し有為な比較分析をするかが平成10年度の研究の課題となる。
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