現在、日本の各地で、若年層において、従来の伝統的方言とは異なる新しいローカルスピーチスタイルが発生しつつある。本研究は、特にそれが顕著に認められる関西圏に焦点を当てて、その実態を明らかにすることをめざすものである。 本年度は、関西生え抜きおよび関西在住の若年層同士、100組を対象に、自然談話データを収集した。 データは、すべて録音テープに記録している。それぞれにつき、約30分の談話データである。 本年度はそのうちの40組について、主要部分を10分程度忠実に文字化し、文字化資料を作成し、若干の分析を試みた。また、この方面の調査・研究を中心に展開している国立国語研究所・情報資料研究部の研究者と相互に情報を交換した。 この研究は、来年度も継続の予定なので、さらに談話データを大量に収集するとともに、並行して文字化を進め、語彙、語法、アクセントなどの面から詳細な分析を施し、若年層のスピーチスタイルの実態を解明したいと考えている。
|