九年度現在まで確認した書物の数は当初よりかなり増えたので、制本にかかる費用の増大も予想される。大庭『舶載書目』の基本文献以外、『小説字彙』には10点ほどの書物を確認した。更に読本作者の書簡などの資料により確認できた書物が8点ほどあった。又前回より才子佳人小説の認定に近年中国で出版された『中国通俗小説目録』などを参考して20点ほど加えた。 今年度は現物の確認作業を順調に行い、複写製本したのを『渡来中国才子佳人小説叢書』として、信州大学付属図書館に収めた。なお、現物の調査によって、複写製本の順序を(平成十年度、十一年度の書物と)変えた場合がある。特に大塚『増補 中国通俗小説書目』に載せていない版本の書物を優先的に複写製本した。さらに『江戸時代における渡来中国才子佳人小説の資料編(1)』を作成した。 飛花咏 四巻 十六回 (八冊) 濃情快史 不分巻三十回 (二冊) 五鳳吟 四巻 二十回 (二冊) 隔簾花影 不分巻 四十八回 (四冊) 杏花天 四巻 十四回 (一冊) 再團圓 四巻 (二冊) 人中画 五巻 (二冊)
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