1.資料の発掘と収集 本年度は研究の初年度でもあり、関係資料の発掘、収集を中心に作業を進めた。本年度の研究実施計画にしたがい、30年代日本に留学した中国人留学生の文学・芸術運動に関する資料の収集に努め、日本近代文学館、都立中央図書館実藤文庫などに赴き、関係資料を収集、コピーした。具体的には、<文海>、<雑文>、<質文>などの当時の雑誌、<伝記文学>などの関係資料、さらには東京美術 学校、東京文理科大学、法政大学、東京高等師範学校などの30年代中国人日本留学生に関する資料を入手した。また、日本国内にない諸資料、<大晩報>などについては、それをマイクロフィルムのかたちで入手した。だが、本研究に関する基礎資料は、すでに散逸してしまっているものが大半である。このため、今後も引き続き資料の発掘、収集に努めたい。 2.研究に対するレヴュ- 中国に赴き、本研究の課題、内容について上海華東師範大学の呉俊氏などからレヴュ-を受け、多くの成果を得た。 3.資料の集中、整理、データベース化 上記作業によって得た諸資料、成果をすべて埼玉大学に集中し、公開を可能にすると共に、パーソナルコンピューターを使って資料の整理、分析、データベース化に努めた。その際、中文関係資料の処理の円滑化などを図るため、パーソナルコンピューター(DELL300)を購入し、必要最低限の中国語環境を整え、資料の整理、データベース化に当たった。収集した資料の整理、分析、データベース化は現在も進行中である。
|