研究課題/領域番号 |
09871085
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研究機関 | 大学入試センター |
研究代表者 |
小野 博 大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10051848)
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研究分担者 |
井上 政義 鹿児島大学, 理学部, 教授 (80041234)
林部 英雄 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (80092469)
松野 和彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90029679)
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キーワード | バイリンガル / イマージョン教育 / 言語力評価 / 海外在住帰国子女 / 外国人子女 / ダブルリミテッド / 言語環境 / 学習言語と生活言語 |
研究概要 |
従来、日本語・外国語力(英語・中国語・韓国語)の調査を行った約3,000人の小・中・高校生の中から(1)海外の補習校で学ぶ日本人子女、(2)中国帰国子女について両言語力の追跡調査を実施し、その分析を進め、臨床面から母国語習得とその保持・第2言語習得に関するルールの検証を行った。その結果、2言語習得における(1)年齢の役割、(2)学習言語を含めた言語環境の役割、(3)学習目的や両親の学習時における援助の役割が大きいことがわかった。 次に日本人のバイリンガルに関し、客観的な評価を行なっている論文の収集を行い、理論構築の際の補強的資料とした。また、海外におけるバイリンガルに関連する論文の収集や、海外の大学や学校への訪問時に、外国語教育の時期やバイリンガルに関する聞き取り調査を実施した。その結果、英国、仏国では1960年代の研究を受けて、小学校での外国語教育は盛んではなく、カナダに於いても英語圏では、英語、仏語のイマージョン教育熱は子どもでの成果が低いことから低下していた。更に、日本人のバイリンガルに関し、言語学、外国語教育学、帰国子女・外国人子女教育など非常に広い学問的背景を持つ研究者約40人を集め、「英語教育における高校と大学の役割」に関する研究家を開催し、意見交換等を行った。その結果、(1)小学校からの英語教育には良い指導者の育成が不可欠であり、現状ではその成果は期待できない。(2)中・高におけるオーラルコミュニケーションの導入後、大学入学者の読解力、語彙力の低下が著しい。これらの現状を受け、中・高では基礎を、大学で海外における集中外国語学習を実施することにより、卒業時にバランス良い英語力の学生の育成が可能であるとの強い意見が出され、平成10年度に具体的な提言を作成することとした。
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