研究概要 |
研究2年目にあたる本年は,前年度の成果をうけて,より具体的な作業にとりかかった。即ち,前年度は,戦後の国際秩序論の原型となす戦間期の議論を比較思想史敵ベースペクティブをまじえて考察することにつとめたが,本年は,国際機構論,開発主義,権力観念など個々の主題について,戦後日本の議論がどのような経緯で形成されてきたかについて研究を進めた。このため,まず「戦後思想を国際政治論の交錯」(‘国際誠意'117)を執筆し,終戦から講和に至るまでの日本の国際秩序論が,どのような意味で戦前,戦中期かrなお議論の影響をもとに成立したかを明らかにした。さらに,次に執筆した「『東亜協同体論』から『近代化編』へ」は,戦後日本の国際主義的開発論とも呼ぶべき系譜を,〓山政道の議論から再編制した。これらは,いずれも,これまで自明現されてきた冷戦期の日本の国際政治論を,逆に戦間期の議論や文脈にまで遡りながら再検討し,ポストン冷戦期の国際秩序論を考える素材を提示する目的で執筆されている。なお,上記の研究を避けるための資料調査,研究打合せのための国内〓〓を数回おこなった。
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