研究期間最終年度にあたる本年は、これまでの研究成果をうけて、その更なる発展をはかる一方、研究全体のとりまとめに精力を注いだ。まず、政治学者*山政直の戦前、戦中、戦後の軌跡をとりあげながら、戦後の開発主義がいかなる過程でうまれてきたかを明かにする論文を年****に執筆、発表した。この過程で、戦後の国際*活論、開発論がいかに戦前期の植民的**の議論を引き継いでいるか、ということに強く印象を*て、戦前戦中期の〈帝国〉下の言説、知識の戦後への組み換え、継承という問題があらたな課題として、意識された。このため、日本帝国主義*の最近の研究である、小林道彦、小熊英二氏の著書を書*するとともに、自らも、概説的ではあるが『岩波講座世界史23』に、「帝国日本の形成」と題する論文を*筆した。また、従来から出版社の都合で活字にならなかった「戦後外交論の形成」が、この4月に公刊されることになった。 戦後の外交論の形成を、戦前、戦中期の思想史的哲学にさかのぼりながら論じたもので、報告に乏しい。 萌芽的研究と自負している。より現状分析的課題にも、とりくむつもりであったが、この点については、本年度内では成果はでなかった。いずれ別の形で成果を発表する予定である。
|