研究課題
1.本年は第一年目として、帰納射影概型が有効であると期待される様々な分野について個別の研究を行い、どの様な理論がそこで求められるかについて予備的な研究を行った。次年度は実際に帰納射影概型の理論を構築し、これらをその中に組み込むことを試みる。2.浪川は、退化アーベル多様体について、同人の以前の研究を見直し、Alexeevのアイデアに基づく、新しいモジュラス理論について考察した。これをグラスマン多様体の理論として展開するとき、帰納射影概型が必要になると期待される。特に森川寿氏による最近の研究にも注目している。3.梅村は、上記モジュラス理論と関連して現れるPainleve方程式について研究を進め、特殊なパラメータの場合の方程式持つ対称性について研究した。これは帰納射影概型の変換論として見えることが期待される。4.土屋・林は、場の理論の観点からそれぞれ独自の研究を進め、アフィンHecke代数について研究した。これも帰納射影概型の変換論としてとらえられるはずである。5.藤原は、総実代数体上のラングランヅ予想についての一連の研究をまとめた。この予想自身は数論の結果であるが、その別の場合について帰納射影概型を用いる展開が考えられる。
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