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1998 年度 実績報告書

表現論における新手法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09874009
研究機関大阪大学

研究代表者

村上 順  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90157751)

キーワード低次元位相幾何 / 写像類群 / 量子摂動不変量 / リーマン面 / ウェブ図 / 表現論
研究概要

コンツェビッチは,量子不変量や有限型不変量を含む結び目のコンツェピッチ不変量を構成するにあたり,ファインマン図にいくつかの数学的条件を課したウェブ図を用いた。さらに,コンツェビッチ不変量は,Le,大槻,村上により3次元多様体の普遍摂動不変量に拡張された。さらに,境界付きの3次元多様体の普遍摂動不変量から,曲面の写像類群の,ウェブ図の空間への表現(ウェブ表現)が得られる。曲面は物理の弦理論でも中心的な研究対象であり,ウェブ図は,写像類群の表現ばかりでなく,数理物理で用いられる様々な無限次元の代数の表現論とも関連することが期待され,この研究を行った。
まず,写像類群のウェブ表現について研究した。ウェブ図とは,ある種のグラフであり,グラフとしての様々な不変量がある。研究の結果,これらの不変量のうち,2種類の不変量(頂点の数及びオイラー数)が写像類群の性質に反映されることがわかった。頂点の数に対応する写像類群の性質はすでに知られているが,オイラー数がこれまでの研究の何に対応するものかはまだ明らでない。しかし,写像類群は,複雑で豊かな構造を持つことが知られており,このオイラー数に対応する不変量は,写像類群の性質を記述する新たなパラメータとなるのである。
さらに,写像類群と曲面論との関係から,ウェブ図のオイラー数に対応する不変量は,曲面の変型全体を考えあわせた空間(モジュラー空間)の構造をあらわす新たなパラメ一夕であることが期待され,また,共形場理論にも関連があるはずなのだが,これらのことに関してはこれからの課題として残された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.T.Q.Le, H.Murakami, J.Murakami, T.Ohtsuki: "A three-menifold invarlant via the universal Vassiliev-Kontsvich invariant" Osaka J. Math.(発表予定). 発表予定.

  • [文献書誌] J.Murakami, T.Ohtsuki: "Topological quantum field theery for the universal quantum invariant" Comm. Math. Phys. 188. 501-520 (1997)

  • [文献書誌] T.T.Q.Le, J.Murakami, T.Ohtsuki: "On a universal perturbative invaviant of 3-manifolds" Topology. 37-3. 539-574 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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