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1998 年度 実績報告書

複雑時空パターンの数理解析

研究課題

研究課題/領域番号 09874039
研究機関北海道大学

研究代表者

西浦 廉政  北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)

研究分担者 柳田 達雄  北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80242262)
津田 一郎  北海道大学, 理学研究科, 教授 (10207384)
キーワード複雑時空パターン / 多谷構造 / ブロック・コポリマー系 / 自己複製パターン / 雲のモデル / カオス的遍歴 / ミルナーアトラクター
研究概要

1. 2次元Gray-Scottモデルにおける整列階層構造と自己複製パターン
1次元Gray-Scottモデルの自己複製パターンに対してはその力学系的構造を大域分岐構造の観点から明らかにすることにより、自己複製ダイナミクスを駆動する骨格構造が明らかとなり、厳密理論を展開すべき枠組も露わになった。2次元問題に対しては軸対称解に限定した空間でAUTOによりその大域構造を調べた結果、1次元と異なり、極限点の手前で軸対称解は不安定化し、その複製過程は単純でない。しかしここで開発された方法は有用であり、非線形楕円型方程式論とも密接に関連し、今後の発展が期待される。
2. カオス的挙動をする1次元パルス
弱く拡散結合された離散反応拡散モデルに存在するカオス的パルス解に対してそれが生成される機構を分岐理論的に明らかにした。まずこのカオス的振舞は遷移的なものであり、実際極めて長い時間の後、それは分裂した2パルス解に収束する。2パルス解が存在することばAUTOの追跡により確認された。このカオス的パルス解はパラメータ空間で見て、2種類の周期解 進行波型と振幅上下型)の存在が消滅するところから発生していることも確かめられた。これはトーラスの崩壊がカオス的パルス解の生成に関与していることを強く示唆するが、その詳細は今後の課題として残っている。
3. カオス的遍歴とミルナーアトラクター
現象としてのカオス的遍歴の数学的機構を理解するために、ミニマルモデルを作った。ミルナーアトラクターを唯一のアトラクターとして有する回転子モデルを3個結合させることで、ミルナーアトラクター間をカオス的に遍歴する現象をみいだした。種々の統計量の計算を行ない、この遍軽現象の特徴付けを行なった。ミルナーアトラクター近傍のトポロジセルな性質は今後の課題である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y.Nishiura and D.Ueyama: "A hidden bifurcational structure for self-replicating dynamics" ACH-Models in Chemistry. 135(3). 343-360 (1998)

  • [文献書誌] Y.Nishiura and D.Ueyama: "A skeleton structure of self-replicating dynamics" Physica D.

  • [文献書誌] I.Tsuda and A.Yamaguchi: "Singular-continuous nowhere-differentiable attractors in neural systems" Neural Networks. 11. 927-937 (1998)

  • [文献書誌] T.Yanagita: "The modelling and characterization of cloud dynamics" Proceeding of The 2st Tohwa Univ.Statistical physics Meeting. 158 (1998)

  • [文献書誌] 西浦廉政: "非線形問題-パターン形成の数理-岩波講座現代数学の展開7" 岩波書店, 279 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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