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1998 年度 実績報告書

非線形発展方程式に現われる界面の運動

研究課題

研究課題/領域番号 09874053
研究機関横浜市立大学

研究代表者

栄 伸一郎  横浜市立大学, 総合理学研究科, 助教授 (30201362)

研究分担者 柳田 英二  東京大学, 数理科学研究科, 助教授 (80174548)
藤井 一幸  横浜市立大学, 理学部, 教授 (00128084)
一楽 重雄  横浜市立大学, 理学部, 教授 (30046130)
中神 祥臣  横浜市立大学, 理学部, 教授 (70091246)
キーワード界面方程式 / 反応拡散方程式 / パターン形成 / 摂動展開 / 非線形発展方程式
研究概要

今年度は、形態形成に現れるモデルを中心に、パルス解、或いはスパイク状解の挙動に着目し、その時間発展のダイナミクスを調べた。これは、実際の形態形成における初期形成過程に対応すると考えられる。
空間次元が1次元の場合は、これまで少なからぬ結果があり、例えば、単独のパルス解の存在や安定性に関しては、既に多くのモデルについて調べられている。しかしながら、複数のパルスが同時に存在する場合についてはまだ殆ど研究されていなかった。複数のパルスが存在する場合、それらは互いに相互作用し、単独の場合とは異なった運動が出現すると考えられる。実際、当研究グループのメンバーの構成員の一人は、神経モデルにおける複数の神経インパルスの相互作用を、形式的議論ではあるが考察し、そのことを示唆する結果を得ている。今回の研究成果は、そうした複数のパルスの相互作用を考察するための一般論を展開出来たことであり、これまでの形式的議論も含めて、その殆どに数学的に厳密な基礎を与えることに成功した。さらに、その理論は、パルスが分裂するといった、いわゆる自己分裂の挙動の理論解析にも有効であることが分かってきた。これに関しては、将来の研究が期待される。
一方、空間次元が2次元以上の場合は、パルス解のダイナミックスに関しては厳密な結果はこれまで皆無であった。この場合でも、単独のパルスがある条件を満たせば、その相互作用を厳密に議論することが出来ることが分かった。その応用として、例えば、形態形成モデルとして有名なGierer-Meinhardtモデルにおけるスパイク解は、領域が2次元の有界領域であれば、ある条件の下では境界に近づくことを示すことが出来た。2次元以上では、1次元にはない複雑な、しかし、興味深いパルスの挙動が多く存在する。これまで形式的な議論のみで扱われてきた、そうした問題の多くに数学的基礎付けを与えることが出来るのではないかと期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.-I.Ei: "Slow dynamics of Interfaces in the Allen-Cahn equation on a strip-like domain" SIAM J.Math.Anal.29. 555-595 (1998)

  • [文献書誌] S.-I.Ei: "Segregation pattern problem in competition-diffusion systems" J.Interfaces and Free Boundaries. (掲載予定).

  • [文献書誌] S.-I.Ei: "A three phase partition problem arising in a competition-diffusion system" Proc.Int.Conf.on Asymptotics in Nonlinear Diffusion Systems Tohoku Math.Publications. 8. 55-63 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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