一般相対性理論で予言された重力波の検出には、より高精度化されたマイケルソン-モ-レイの干渉計等の干渉計が有望であることが言われるようになり、現在、数kmの長さの巨大な干渉計を用いた重力波天文台の実現を各国が検討している。しかし、その建設費用は膨大なものになるだけではなく、雑音の除去、レーザーの高安定化等解決しなければならない問題は数多い。それに対し、米国コロラド大学の水島教授は、フ-コ-の振り子や回転する小型のレーザー干渉計を用いた測定で、一般相対性理論から導かれる力を比較的簡単に確認できるとの理論計算を示されている。本研究では、まずフ-コ-の振り子の実験を行い、水島教授の理論計算の一般相対性理論から導かれる力によるものと比較検討する。次に、回転する干渉計の製作における問題点を検討する。この時、空間の異方性により干渉計が振動できるような状態のまま回転させると、空間の異方性を10^<-14>程度の精度の実験でも十分観測できるようになると計算されている。この振動可能な干渉計の製作を行う。そして、この回転する小型のレーザー干渉計に必要なレベルまで発振波長が安定化された半導体レーザーの製作を行う。現在コロラド大学の水島教授等も検討を開始している。我々は水島教授等と共同して、この空間の異方性の測定をこれまでの半導体レーザの波長安定化の実験系と実験技術を用いて始め、予備的な実験の後、理論解析に従いより精度の高い実験を行う。その際、地球上で異なる位置で共同して観測を行うことで、正確なデータを得ることが可能となる。
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