研究目的と実施計画にそって高エネルギー研(KEK)と理化学研究所のVPP500共同利用計画に採用され以下の研究を行った。 1)デュアル空間でのブロック・スピン変換で連続極限のQCDの性質を示す繰り込まれた軌跡と呼ばれる低エネルギー有効理論をSU(2)QCDで48^4格子空間まで考察し、ほぼ決定した。現在、回転対称性が成立しているかをテストしている。これは、二つの論文として投稿された。 2)モノポール凝縮による閉じ込めが特別のゲージのみではなく一般的に成立している事の証明は改良された作用を用いて進行中である。 3)デュアル空間での繰り込み変換を(12〜36)^3×(4〜8)の格子で行い、有限温度の相転移がモノポール凝縮で完全に理解できるかを調べる。これも進行中である。 4)現実に近いSU(3)QCDで同様の研究を行い、24^4格子でデュアル空間でのブロック・スピン変換で繰り込み群の流れを調べ、SU(2)QCDと同様に繰り込まれた軌跡が得られる可能性があることが分かった。 5)クェンチ近似で閉じ込め機構とQCDのもう一つの未解決問題であるカイラル対称性の自発的破れの機構やハドロンの質量生成に付いて興味ある結果を得た。これは間も無く投稿する。
|