研究課題/領域番号 |
09874067
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
八尾 誠 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70182293)
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研究分担者 |
永谷 清信 京都大学, 理学部, 教務職員 (30273436)
大政 義典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手
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キーワード | カルコゲン / マイクロクラスター / X線吸収分光 / 質量選別 / 全電子収量 / 全イオン収量法 / 光電子光イオン同時計数 / シンクロトロン放射光 |
研究概要 |
XAFS(X-ray Absorption Fine Structure=X線吸収微細構造)分光は特定原子周りの局所構造を調べる測定法であり、最近では、自由空間に生成したクラスターの構造解析法としても注目されている。今回我々は、12.65keVにK吸収端をもつセレンのクラスタービームを研究対象として、XAFS測定のための実験技術開発を行った。セレンは鎖状構造や環状構造など多様な原子配列のトポロジーを持つことが知られている。また、超音速ジェット・ノズルから噴出されるセレン・クラスターのサイズ分布が、クラスター源の温度を変えることにより制御することができるという利点をもっている。我々は、超音速ジェット法を利用するクラスター生成装置を製作し、物質構造科学研究所放射光施設のビームラインBL12Cでセレン分子ビームのX線吸収測定を行った。クラスタービームは試料として非常に希薄であるため、通常X線吸収分光に用いられる透過法を適用することができない。我々は、X線を吸収した中性クラスターが光電子と光イオンに分かれることに着目し、その各々を電場により引き込んで検出する方法を採用した。即ち、TEY(Total Electron Yield=全電子収量)法とTIY(Total Ion Yield=全イオン収量)法である。実験から、先端が丸められた第一ピークと非対称で小さい第二ピークを示す吸収端近傍スペクトルが得られ、このスペクトルがSe_2分子からのシグナルであることを確認した。
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