研究概要 |
本年度は高圧装置の設計と駆動部に使うTi-Ni系形状記憶合金の作製、及びその基礎的な物性、特に熱膨張の温度変化について精密な測定を行った。Ti-Ni合金は室温付近に転移温度を持つものを試作した。形状は15mmの径を持つ円柱で長さは28mmに成形した。熱膨張は77Kから約350Kまでstrain-gaugeを用いて円柱に平行及び垂直な2つの方向に対して測定した。 その結果、本試料は室温直上に転移点を持ち、転移の際大きな長さの飛びがあることが分かった。これは2つの方向に対して大きさを除いて同じであった。飛びの大きさは軸方向のほうが大きく、大体(5〜6)_x10^<-3>程度であり,100mmの駆動体では10分の数mm程度の長さの変化が期待できるため,駆動体として十分に機能することが分かった。また硬さの測定からこの合金はロックウエル強度で40程度の硬さを持ち高圧用の機器として十分に使えることが分かった。 今後の課題としては購入した温度コントローラーを使って高圧容器内にセットした場合どの程度の温度コントロールの精度が必要かについての精密なデータをとることが望まれる。更にダイヤモンドをアンビルとした高圧の電気・磁気測定通じた定量的なデータを取ることが必要である。
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