1)Josephson Phase Dynamics In ^3He Weak Links Packard(米国)のグループによって、超流動^3Heにおけるacジョセフソン効果が観測された。我々は、散逸を取り入れた凝縮体の運動方程式(Gross-Pitaevski方程式の拡張)を提案し、これに基づいてacジョセフソン効果を計算した。その結果、位相差の連続回転モードが減衰してやがて位相差0の周りの振動モードに減衰して行く様子を含め、実験データの主要な特徴を数値計算によって定量的に再現することに成功した。(物理学会第54回年会、LT22などで発表、Physica Bに出版が決定) 2)Quantum Phase Transition in Extended Attractive Hubbard Model BCS基底状態波動関数は、弱結合のBCS超伝導相から強結合のBose-Einstein凝縮相までの滑らかな変化を記述するというNozieres等の結果が広く受け入れられている。我々はこの点に疑問をもち、BCS波動関数にGut willerの方法で相互作用の効果を取り入れる変分波動関数を考案した。その結果、相互作用のあらゆる値に対し、BCS理論よりも低い基底状態エネルギーを得た。これはBCS理論の改良を意味する。更に、この波動関数を用いてhalf-fillingの近傍を調べたところ、弱結合から強結合への移りゆきは連続的ではなく、電荷密度波相への量子相転移が導かれた。また、超伝導と電荷密度波が共存する超固体相の存在が可能であることを理論的に示した。(物理学会第54回年会で発表、Physical Review Letter誌に投稿中) 3)Temperature Dependenece of Excitation Spectrum In Dilete Bose Gases Beliaev理論を有限温度に拡張することにより、弱い斥力をもつ中性ボーズ気体の素励起スペクトルの計算を行った。その結果、MITやJILAの実験グループが最近測定した素励起のエネルギーと減衰率の温度依存性をよく説明する結果を得た。また、Bogoliubov理論では正の値をもっていた素励起スペクトルの曲率がグリーン関数を用いて多体補正を入れた結果、負の値になり、素励起の分解に対する安定性が回復することも分かった。(日本物理学会2000年春の分科会で発表予定、投稿論文準備中)
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