研究概要 |
1,隠岐島における大気粉塵の継続的サンプリング 日本海に位置する隠岐島(島根県)道後において、これまで継続して来たロ-ボリュームエアサンプラーでの大気粉塵のサンプリングを行った。長期的に使用している機械であるので、今後のために老朽化したポンプやケーブルなどの整備を行った。これにより、隠岐島の加茂NTT中継所(標高200m)と西郷湾内の合同庁舎の2カ所でのサンプリングが継続されている。ただし合同庁舎は建物の整備のため3月より、隣の前警察署の建物の屋上に移設した。サンプルは-20度に冷凍保存した。 2,分析法の検討 メタンスルホン酸と同時に他のイオン種を分析するために、液体クロマトグラフ用ポンプとデガッサーを整備した。これにより、陰イオン、陽イオン同時に分析が可能になった。メタンスルホン酸の溶出は早く、しかも酢酸などの有機酸と近いところに溶出するので、特にフッ素から塩素イオンまでの早く溶出する部分での分離の良いカラムを選定し、溶離液などを検討した。これにより、0.01ppm程度の感度が得られ、分析時間は15分程度であった。 3,気象データの蓄積 気象庁の取り扱っている気温、風、海況、海水温度、今後の温暖化予測など入手した。これらのデータは今後解析する。本年度は特にエルニーニョによる暖冬傾向があるため、本年の春におけるデータは比較するためにも貴重なものとなると考えられる。できれば、地域的な気象の変化が大気中のメタンスルホン酸濃度にどのように影響するか、気流解析なども行ってゆきたい。
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