研究課題/領域番号 |
09874094
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
湯元 清文 九州大学, 理学部, 教授 (20125686)
|
研究分担者 |
立原 裕司 九州大学, 理学部, 助手 (00227092)
吉川 顕正 九州大学, 理学部, 講師 (70284479)
宮原 三郎 九州大学, 理学部, 教授 (70037282)
藤高 和信 九州大学, 放射線医学総合研究所・第3研究グループ, 総合研究官 (70165398)
巻田 和男 拓殖大学, 工学部, 教授 (40129945)
|
キーワード | 南大西洋域 / 磁気異常帯 / 超高層現象 / 共同観測調査 / 地球環境 / 影響評価 / 放射線 |
研究概要 |
本研究では、地磁気強度が日本付近の半分程度と異常に弱いブラジル南部地域で、超高層や中層大気圏における諸現象の予備調査を行うとともに、磁場減少率が異常に大きい南極昭和基地での超高層定常データやEXOS-D人工衛星データ等との比較研究を行う。本研究の目的は、これらの比較研究から、将来予想される汎地球的な地球磁場減少がもたらすであろう宇宙からの高エネルギー粒子の入射量増加に伴って、どのように地球環境が変動するかについての影響評価とその予測を行うことであり、そのためにどのような共同観測調査が必要なのかを研究することであった。 平成9年度は、磁気異常帯での超高層異常現象の研究をする際、どのような観測項目をどの程度の観測精度で、いかなる方法により測定すべきかの調査研究のために、1997年11月10日に名古屋大学豊田講堂で「南太平洋磁気異常が地球環境に及ぼす影響についての基礎研究」の研究集会を開催した。具体的には、放射線計測を航空機や気球で行うことや、光学観測、オゾン観測、自然電波観測、宇宙雑音電波観測、地磁気観測を行う場合の測定器の感度をどの程度にすべきかの検討を行なった。また、磁気異常帯は広範囲に及んでいるため、船舶による広域観測や地磁気共役点(ブラジル-カリブ海諸島)での比較観測の調査計画についても検討し、理論的な予測研究を行なった。これらの研究集会での情報交換や予備調査研究を本研究で行うことにより、“南大西洋域磁気異常帯での超高層現象の研究"の研究対象をしぼり込むことができた。 平成10年度以降は、平成9年度に引き続き研究集会を開催し、南大西洋域における地球磁場減少に伴う環境変動の研究対象を更に絞り込み、平成11年度にはこれらの研究成果を出版物にまとめると共に、具体的な国際共同調査研究を提案する予定である。
|