研究課題/領域番号 |
09874146
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北川 進 京都大学, 工学研究科, 教授 (20140303)
|
研究分担者 |
近藤 満 京都大学, 工学研究科, 助手 (80254142)
松坂 裕之 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (50221586)
|
キーワード | 配位高分子 / チャンネル構造 / 三次元構造 / 多孔性化合物 |
研究概要 |
混合物質(気体、液体)から、ある特定の物質のみを選択的に吸収(または透過)する分子吸着物質(または透過膜)は、無機化学、有機化学双方の大きな研究課題として注目を集めている。光、磁場、電場、などの外場により分子の吸着/透過特性が可逆的に制御される外場制御機能を有する多孔性物質はこれまで全く合成されていない。そのような高分子物質はスイッチ機能を有する新しい機能性材料として、これまでに無い新しい物質科学を創出するものと期待される。本申請課題では配位高分子を用いて、外場(光、電場、磁場)により分子透過特性が制御されるこれまでに無い全く新しい分子吸収体および透過膜の合成を検討した。その結果、三次元的に支持された新規多孔性骨格として、二次元シートをピラ-配位子で連結した配位高分子骨格の設計と構築に成功した。得られた化合物は単結晶構造解析、及び粉末X線解析により、その構造を決定した。この骨格は、ピラーを種々の配位子に変換することが可能で、ピラジン、4,4'-ビピリジン、4-ピリジル(イソニコチンアミド)などを組み込むことに成功した。これらの配位子の長さと構造に応じて、新しいチャンネル構造を有する配位高分子結晶を形成することに成功した。これらのチャンネルは熱的にも極めて安定で、真空下、100度でも、そのチャンネル構造を安定に維持していることが粉末X線解析の結果から明らかになった。これらは、合理的にチャンネル構造を制御できる多孔性配位高分子の最初の成功例である。
|