研究課題/領域番号 |
09874180
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
黒川 信 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (50211222)
|
研究分担者 |
桑沢 清明 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (10015589)
矢沢 徹 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30106603)
|
キーワード | 神経伝達物質 / ホルモン / マイクロダイアリシス / HPLC / 血中濃度 / 甲殻類 / グルタミン酸 / GABA |
研究概要 |
自由行動中の動物において神経伝達物質あるいはホルモンの濃度をリアルタイムで分析した研究はほとんどない。行動と体液中の神経伝達物質濃度とを連関させる研究のための萌芽的研究として、甲殻類の攻撃行動をモデルに血液中のアミノ酸神経伝達物質濃度、モノアミン神経伝達物質濃度のHPLC分析を試みた。 アメリカザリガニ(Procambarus clarkii、12g-53g)が示す鋏を大きく開いて鋏脚をもちあげるという攻撃的な威嚇姿勢に注目した。1-2時間氷麻酔した動物および室温で威嚇姿勢をとっている動物から、一個体当たり0.5-1.0mlを採血した。各個体ごとにモノアミンおよびアミノ酸を個別にHPLC分析した。 サンプルの調製法を確立するため、以下の4つの方法(1)通常の微量神経粗織のHPLC分析に用いる除蛋白法、すなわち、採血後ただちに0.1M過塩素酸を加え1時間除蛋白処理する方法、(2)採血後ただちに30分問冷却超遠心した上清に60%過塩素酸を加え(最終濃度が5%以下)、1時間除蛋白処理する方法、(3)あらかじめ0.5M EDTA 0.1mlを入れた注射器で採血し60%過塩素酸(最終濃度20%)で処理する方法、(4)EDTAを用いず採血し、5分間煮沸して除蛋白処理する方法、を検討した。 甲殻類の代表的アミノ酸神経伝達物質(グルタミン酸とGABA)はどの個体の血液中からも、また、氷麻酔下でも室温条件下でも、安定した値で検出された。氷麻酔下の動物と室温で威嚇姿勢を見せている動物とでGABA濃度、グルタミン酸濃度はともにほぼ同じであった。
|