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1997 年度 実績報告書

染色体顕微切断によるカニクイザルとコモンマーモセットのゲノム解析へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 09874186
研究機関京都大学

研究代表者

平井 啓久  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (10128308)

研究分担者 川本 芳  京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (00177750)
キーワードニホンザル / フサオマキザル / 染色体顕微切断法 / 血液細胞培養 / レクチン / alloA / 細胞分裂促進性 / アポトーシス
研究概要

本年度は、マカク類と新世界ザル類の染色体中期像をより多く得る方法の開発に力をいれた。なぜならば、各染色体の特定部位を倒立顕微鏡上で削り取るためには、可及的多数の染色体中期像を一枚のカバーグラス上に作製することが、能率的に作業を行うために必須だからである。しかし、従来の血液培養条件は、上記2種霊長類にとって決して最適法とは言えなかった。今回、細胞分裂促進剤として新しくカブトムシレクチン(alloA)を適用したところ、以前使用していたマメレクチン(conA)よりも良好な成績を得たので、霊長類の血液培養における両レクチンの効果について検討を行った。結果は以下の通りである。
(1)染色体中期像の頻度:ニホンザルにおいてalloAはconAの約2倍、フサオマキザルにおいては約5倍の高い頻度を得た。
(2)適用量の効果:alloAを1μg/m1と10μg/m1を使用したところ、後者は前者の約2.7倍の染色体中期像数を得た。
(3)アポトーシス:霊長類の血液培養中に変性細胞が多数観察されることが以前から気になっていたが、今回その細胞の形態学的ならびに分子細胞学的な特性を分析したところ、アポトーシシによる変性であることが明らかになった。
(4)レクチンのアポトーシスに対する影響:alloAの適用量の増加に伴い、正常細胞の増殖は促進されるが、アポトーシスは増加しなかった。conAの添加量の増加は、正常細胞とアポトーシスの両方を増殖させた。結果的に、alloAはconAの約3倍の染色体中期像を産出した。
ニホンザルの血液培養におけるalloAの効果は、ヒトの場合のPHAレクチンのそれと類似の成績を示しており、alloAはサル類において多数の中期染色体を作出するために、非常に有効であることが明らかになった。現在、ニホンザル、カニクイザル、コモンマーモセットにこれを適用し、前2者ではY染色体、第9染色体の短腕、第19染色体、コモンマーモセットにおいてはY染色体の彩色プローブの作製を遂行中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hirai et al.: "Tandem duplication of nucleolus organozer region (NOR) in the Japanese macaque,Macaca fuscata fuscata." Chromosome Research. 6・3. 1-7 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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