走査型力顕微鏡においては、探針に作用する力を直接制御し、探針先端と試料との間に作用する力を相殺するような制御を行うことにより、探針が試料にスナップインしてしまうことを防ぐことが可能である。いままでに、磁気浮上による方法(ゴ-チエ・エマニュエル)、カンチレバ-に磁力を作用させる方法(ジャービス)、静電力による方法が報告されている。本研究では、小型化に比較的よく対応した力の発生方法として、静電力と磁歪力の両者について研究を行い、走査型力顕微鏡の力制御への応用の可能性を調べている。静電力による方法は、導電性カンチレバ-と固定子との間の静電力を用いる。磁歪を用いる場合は、カンチレバ-状ニッケル薄膜等を生成し、その発生力、変位を計測している。なお、磁歪性カンチレバ-の作製にはガルニエの協力を得ている。
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