研究課題/領域番号 |
09875040
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有浦 泰常 九州大学, 工学部, 教授 (10038044)
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研究分担者 |
梅崎 洋二 九州大学, 工学部, 助手 (70038066)
甲木 昭雄 九州大学, 工学部, 助手 (20038095)
鬼鞍 宏猷 九州大学, 工学部, 教授 (90108655)
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キーワード | 超音波振動研削 / CBN工具 / 目づまり / 研削低抗 / 低切込み / 低剛性砥石 |
研究概要 |
(1) ダイヤモンド砥石に軸方向超音波振動を付加してCBN工具中のCBN粒子を微小破砕することにより、研削抵抗の低減、研削能率および加工精度の向上を図ることを目的とし、低剛性砥石軸によるCBNホブやフライスカッタの切れ刃部研削の可能性を基礎試験により追求した。 1) 内蔵した圧電素子により超音波振動(周波数約40kHz、振幅2.3μm)を軸方向に付加し、ダイヤモンドホイールを用いて実験を行った。その結果、超音波振動を付加すると接線方向分力は14〜38%、法線方向分力は13〜58%減少すること、研削回数が増すと砥石作業面の目づまりによる研削抵抗が急激に上昇すること、CBNの研削においては法線方向分力が接線方向分力の約15〜20倍と金属の研削に比べて著しく大きくなるため、低剛性の砥石を使用する場合送りおよび切込みをできるだけ小さくする必要があることが明らかになった。 2) ダイヤモンドホイールに40kHzの軸方向超音波振動を付加して、その端面で極細円筒状工作物(超硬合金(Z10))の円筒面を研削し、仕上げ径の最小化、研削抵抗の低減および研削能率と加工精度の向上を図った。その結果、直径は目標設定値10μmに対して先端から200μmまでは3μmの直径差の中におさまること、工作物回転数が上がると、切取り厚さの増加による平均研削抵抗の増大により工作物がたわみ大きな直径となること、工作物回転数の増加および工作物軸方向長さの減少にともなって平均研削抵抗は増加することが明らかになった。 (2) 試作CBNホブを用いて高硬度歯車の仕上げ切削の可能性を探った。切削速度300〜900m/min、歯面における片肉仕上げ代0.1mm、送り1.5mm/revの乾式切削を行った結果、切削速度900m/minにおいても耐摩耗に優れていること、切れ刃のチッピングについては、まず切れ刃のエッジが滑らかになる研削方法の開発が望まれること、刃こぼれの小さい研削砥石の粒度・結合材や研削条件などの新しい選定が必要となることが明らかになった。
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