研究課題/領域番号 |
09875066
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内山 勝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30125504)
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研究分担者 |
阿部 幸勇 東北大学, 工学部, 教務職員 (80261600)
妻木 勇一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50270814)
NENCHEV Drag 新潟大学, 工学部, 教授 (80270809)
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キーワード | ソフトロボット / 協調制御 / マイクロロボット |
研究概要 |
本研究では、柔らかい部材を機械設計に積極的に応用したロボットの研究を行うことを目的とする。このようなロボットをソフトロボットと呼ぶことにする。これは、従来にない新しい発想に基づくロボットの設計であり、これにより、作業対象や人間と安全に接することのできるロボットの実現が期待される。本年度は、ソフトロボットの設計概念について検討を行い、いくつかの具体的なロボットシステムを製作し、これを実際の作業に適用することによりその有用性を確認した。ソフトロボットをマイクロアクチュエータとして考えた場合、大きさの制限から低自由度,低センサの単純なものとならざるを得ない。そこで複数の単機能ロボット(直線能動関節と粘弾性支持された回転の受動関節のみを持つ)を製作し、複数ロボットの協調による物体操作の実験を行った。このような、物体に任意の力を与えることが不可能なロボットを複数用いて物体に姿勢変化を行わせる場合、内力を考慮した力の求め方は大変複雑なものとなる。そこで我々は2台のロボットで1つの力を発生させると考え、実験によりその有用性を確かめた。また、この単機能アクチュエータを6台以上用いることにより、対象物を持ち替えながら移動させる手法も提案した。さらに作業対象として、ソフトロボットが直接人間と接触をして介護などの作業を行う事を考えた場合、ロボットアームの関節に柔らかさを持たせ、接触時の衝撃をやわらげる事ができれば有用である。そこで、差動機構を持った2自由度サーボモジュールの関節部分にコイルばねによる弾性部を設けたソフトロボットを作成し、基礎的な制御実験を行った。今後の研究方向として、ソフトロボットの概念についてさらに討論を深め、構造全体に柔らかさを持ったロボットシステムなどの新たな方向についても検討を行っていく。
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