本研究は、特定のDNAを触って測る本作業に先立ち、観察・伸展・把持・固定などの準備作業を機械的にマニュアル操作できるシステムの構築を目的とする。DNAは市販のものを用い、観察はDNAを染色して倒立形蛍光顕微鏡を用いたが、直径2nm程度のDNAでもその存在位置がわかった。工具はガラス管を0.8μmまで先細にして伸ばし、パイプの中に染色液を充填し蛍光顕微鏡でも見えるようにした。なお、工具はアクチュエータで動かしたが、これはピエゾ素子の20μm程度の微動をてこで増幅して3方向に駆動できる。さらに、工具の半面にアルミニウム薄膜を蒸着して、1MHz・1MV/mの電場を印加した。設計通りに、DNAは電場によって伸展し、DNAの端をアルミニウム薄膜に固定して動かせた。ただし、動かせたDNAが単一であるか否かがわからなかった。
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