研究概要 |
本研究では磁性流体又はフェライト微粒子などを用いた塗布型磁性木材,粉体型磁性木質材,含浸型磁性木材を作製し,これらの磁性木材の磁気特性を決定する主な決定要素について下記の事項について明らかにした。さらに,磁性木材の有する磁気的機能性について基礎的検討を行った。 (a)塗布型磁性木材,粉体型磁性木質材,含浸型磁性木材の複素透磁率,飽和磁束密度,など基礎的高周波磁気特性の実測結果を比較検討した結果塗布型磁性木材が最も良好な磁気的性能を有することが了解された。 (b)含浸型磁性木材では磁化方向により磁気異方性が顕著に表れることを明らかにした。この原因は木材の構造的異方性によることが明確にできた。 (c)粉体型磁性木質材では磁性粉体と木粉を均一分散した場合と分離した場合の混合状態による磁気特性の差異を検討した結果,分離した場合の粉体型磁性木質材の磁気特性が2倍近い磁気性能の向上が得られることが了解された。これは,磁性粉体の構成に起因する反磁界によるものと考えられる。 (c)磁性木材の有する磁気的機能性として,電磁石による磁気吸着機能,磁性電波吸収機能,高周波磁界による発熱機能についての基礎特性を明確にした。
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