研究課題/領域番号 |
09875111
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
小田 匡寛 埼玉大学, 工学部, 教授 (90008855)
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研究分担者 |
風間 秀彦 埼玉大学, 地域共同研究センター, 助教授 (40008868)
岩下 和義 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40203377)
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キーワード | 粒状体 / 破壊 / 数値シミュレーション / マイクロメカニックス / 偶応力 |
研究概要 |
本研究は、(i)せん断帯内部の粒子構造変化を調べ、その結果を十分説明できる微視的な変形モデルを提案すること、(ii)すべり面の力学的解釈について、微視的構造特性の観点から再検討し、偶応力のはたす役割をあきらかにすること、(iii)粒子接点に偶力の効果を加味した新しい数値シミュレーションモデルを開発し、(1)の結果と照合することによって、モデルの適用性を明らかにすることの3点を目的として計画された。平成9年度の研究成果は以下の3点に要約できる。 1)せん断帯内部の粒子構造変化の観察には、実際の砂を用いた平面歪み試験を行い、せん断帯を発生させ、応力、歪みの条件を変化させることなく、接着剤を浸透させ、固結させる方法を採用した。固結供試体をX-線、光学顕微鏡の方法で調べ、せん断帯内部の粒子構造とその変化を追跡した。その結果から、拘束圧力、歪みレベル、初期構造などの条件が、せん断帯内の粒子構造の発達に及ぼす効果を明らかにした。 2)数値シミュレーションには、粒状体の数値シミュレーション法として使われているDEM(Distinct Element Method)に工夫を加え、粒子間接点で偶力の伝達を許容するモデルを開発して用いた。その結果、従来型のDEMでは、せん断帯内の粒子構造の発達を再現できないでいたが、その欠点を克服した数値実験に成功した。せん断面形成への接点偶力の重要性が明らかになった。 3)接点に偶力を作用させることの結果として、巨視的には偶応力の発生することが確認できた。マイクポーラ理論の数値実験による検証が可能となった。
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