地盤の非均質性のために、工学的な問題の生じることがある。特に、最近の約2万年間にできた沖積層とその基底礫層に関しては、それらの地層に関わる建設活動が盛んなことも相まって、種々の問題が生じる。例えば、不連続な基底礫層やその層厚の変化によって杭基礎の支持力が不足すること、沖積粘性土内に連続する薄い砂層の存在によって圧密沈下速度の予測が間違うこと、沖積砂層内の薄く連続した粘性土層の存在によって透水性が阻害されること、などの例が考えられる。 こうした工学的問題が生起する最大の原因は、そこで利用される地盤の不均質性の評価が難しいことである。そこで、本研究では、地盤の成層構造の複雑さを評価するために、 (1) 土質柱状図の類似性評価方法の提案 (2) 地層の成層性を評価する方法の提案 (3) 地盤の生成過程を把握するための理学的情報の整理 (4) 理学的情報のある地域の土質試験結果の深度分布特性の整理 を行ってきた。
|