研究課題/領域番号 |
09875127
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡田 成幸 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50125291)
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研究分担者 |
高井 伸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10281792)
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キーワード | 地震被害 / 1995年兵庫県南部地震 / 淡路島北淡町 / 建物崩壊パターン / 木造住家 / 人的被害 / 建物内部空間 / W関数 |
研究概要 |
本研究は地震による建物破壊に起因する人的被害の抜本的低減を目的としており、激震下における人的被害を「建物構造破壊」→「建物内部崩壊」→「生存空間被災」→「人的被害発生」という時系列展開に基づくメカニズムで理解するためのアプローチ法を提言するものである。そのために必要なツールとして、建物の力学的崩壊パターンを数量評価する尺度および崩壊家屋内の生存空間の保存状態を記述する尺度構成を議論する。 本研究は3ヵ年の研究期間を予定しており、遅滞なく進めるために以下のサブテーマを想定した。 (1)サブテーマ1 : 基礎資料の構築 (2)サブテーマ2 : 建物内生存空間の崩壊パターン記述法の考察 (3)サブテーマ3 : 構造被害-生存空間被害-死傷者の関係考察 (4)サブテーマ4 : 死傷者発生モデルの検討 平成11年度は最終年度に当たる。初年度はサブテーマ1の研究遂行のためのデータベース化が主作業であった。2年度はそのデータに基づいた、建物崩壊パターン記述法(サブテーマ2)及び建物被害パターンと建物内人的被害との関係考察(サブテーマ3)のためのデータ収集に力点が置かれた。本年度の成果は、建物崩壊パターン記述法に関し、2年度において得られた木造建物被害パターンに加え、鉄筋コンクリート構造に関する被害パターン分類をトルココジャエリ地震(1999年)の被害写真より20分類し、それぞれのパターンごとに死者発生率を算定した。さらに、阪神淡路大震災の神戸市における航空写真を立体視解析し、人的被害データとコンバインすることにより、木造被害20分類についても、それぞれの死者発生率を求めることが出来た。この結果、従来の被害4分類より推定される死者予測式に比し、格段に精度・信頼度の高い推定式を構成することが出来た。 また、本研究で提示した分類及び関数は本研究目的以外にも被害調査に一般的に利用できることなどが確認され、研究の副産物として十分意義深いものと位置づけられる。成果の一部は学会誌に投稿した。
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