研究課題/領域番号 |
09875138
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宗本 順三 京都大学, 工学研究科, 教授 (60219863)
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研究分担者 |
川崎 寧史 京都大学, 工学研究科, 助手 (60243169)
小林 博人 京都大学, 工学研究科, 助手 (00283630)
毛谷村 英治 宮城大学, 事業構想学科, 助教授 (60243060)
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 教授 (80111938)
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キーワード | 環境負荷 / 廃棄物量 / CO_2 / コスト / 多目的最適解 / 遺伝的アルゴリズム / 戸建住宅 / ライフサイクル |
研究概要 |
本年度は基本モデルの開発とデータベースの作成など研究基盤の確立に重点を置いた。本研究は数多くの組合せから最適解を選ぶのに有効な手法であるCAを援用し、戸建て住宅を対象として、環境負荷としてCO_2排出量、最終廃棄物量の最小化とそれを実現するコストの3指標をもとに多目的最適モデルを構築し、モデル化した住宅の部位毎のライフサイクルにわたる建材構成の選択システムのプロトタイプを提案した。 試行はGENESISの初期設定で行った(選択:ル-レット方式、交叉:2点交叉、交叉率:0.6、突然変異率:0.001)。まず試行の第1段階として、CO_2排出量、コスト、最終廃棄物量という3つの評価指標について、それぞれの評価指標をより小さくする資材構成を求めた。CO_2排出量を小さくする場合、得られた解は、躯体=木造、壁体=木造、外壁材=木材となり、5000回試行を行うと最小値は1855Kg-c/m2・年まで減少した。廃棄物量を小さくする場合、得られた解は、躯体=木造、壁体=木造、外壁材=木材となり、5000回試行を行うと最小値は0.2657Kg/m2・年まで減少した。ここでこの両者を比較すると、廃棄物量最小の解のCO_2排出量は5801Kg-c/m2・年であり、CO_2排出量最小の解の廃棄物量は5.404Kg/m2・年と、両者とも同じ木造的な構法でありながら相手側の1000回試行の値すら大幅に越える相反する性質を持っている。また例えば、CO_2排出量を評価指標とした1000回試行で得られた2つの解は、木造とS造となったが、その評価値は同等に2582Kg-c/m2・年となるなど、これまでの既成概念から想像することの困難な解も得られた。
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