研究概要 |
超高温での使用に耐えられる構造用材料としてRh基およびIr基金属間化合物に着目した.Rh基およびIr基金属間化合物Rh_3X,Ir_3Xは構成元素XをTi,Zr,Hf,V,NbおよびTaとした時にLl_2型の結晶構造を示す.計12種類のRh_3XおよびIr_3Xの中から超高温用材料として適した化合物を選定し,選ばれた化合物系についてその状態図を確立し,機械的性質を総合的に調査することを目標としている.本年度は,Rh_3XおよびIr_3X(X:Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta)の物理的・機械的性質を広範に調査し,超高温構造用材料として有望な化合物を選定することを目標に研究を行い十分な成果を得ることができた.調査を行ったパラメータは,物理的性質では熱伝導率と熱膨張係数,機械的性質では硬さ,圧縮強度および靭性である. 結果(1):Rh_3XおよびIr_3Xは,代表的なLl_2型金属間化合物であるNi_3Alに比べ,いずれも熱伝導率は大きく,熱膨張係数は小さい.これらの特徴は超高温構造用材料にとって適切である.熱伝導率では,Rh_3NbとIr_3Nbが100Wm^<-1>K^<-1>以上の高い値を示す.また,熱膨張係数では,Rh_3Xはいずれも約10x10^<-6>K^<-1>,Ir_3Xはいずれも約8x10^<-6>K^<-1>となる.結果(2):Rh_3XおよびIr_3Xは、いずれもNi_3Alに比べ硬い.Rh_3X,Ir_3XともXをV族元素(V,Nb,Ta)とした時に硬度は大きく,IV族元素(Ti,Zr,Hf)において硬度は小さい.特に,Ir_3Nbはビッカース硬度1400を越える非常に大きな硬度を示す.結果(3):Rh_3XはXをTi,Zr,HaおよびVとした時に高強度・高靭性を有する.これに対し,Ir_3XはRh_3Xに比べ全体的に低強度・低靭性である.以上の結果から,超高温構造用材料として適した化合物としてRh_3Ti,Rh_3Zr,Rh_3HfおよびRh_3Vを選定した.
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