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1997 年度 実績報告書

ニッケル新生面の活性度低下に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09875173
研究機関秋田大学

研究代表者

田口 正美  秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (90143073)

キーワードニッケル / 薄膜 / 表面活性 / 水晶振動子マイクロバランス法 / 低エネルギー電子放射 / 初期酸化 / X線光電子分光
研究概要

金属あるいは合金材料においては,見かけ上特別な変化が認められないものであっても,その極表面では化学吸着や酸化が進行しており,活性度が著しく低下している場合がある.そのため,新生面を必要とする工業製品において,様々なトラブルが発生している.例えば,電子ディバイスに多用されるニッケルメッキ層で酸化が進行する場合には,後続のハンダによる接合処理が充分に行われず,剥落などの製品不良につながる.このようなトラブルを防止するには,材料の活性度を予め定量的に評価する必要がある.
本研究では,低エネルギー電子放射測定と,水晶振動子マイクロバランス法を組み合わせ,ニッケル新生面の酸化に伴う活性度低下を,大気中,室温近傍において追究し,活性度評価の定量的基準を作成することを目的とした.これまでに得られた結果は,次のように要約される.(1)乾燥状態での303,313および323KでのNi薄膜の初期酸化挙動は対数則に従うが,ある反応時間の後に三乗則へと移行する.対数則に従う時間は酸化温度が高いほど短く,反応の見かけ上の活性化エネルギーは11.262kJ・mol^<-1>と算出された.(2)Ni薄膜の酸化生成物をXPSで調べた結果,303および313KではNi(OH)_2が主体であり,323,353Kと酸化温度が上昇すると,NiOに変化することが判明した.(3)紫外線励起によるNi薄膜からの電子放射は,酸化反応初期では緩やかに変化するが,ある時間経過すると急激に低下する.この時間は表面酸化物層の厚さに関係し,室温近傍では10^<-6>kg・m^<-2>前後の反応層が形成されると活性化度が著しく低下すると判断できる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田口正美、 平沢今吉: "室温近傍における再生Pbの酸化挙動に及ぼす不純物の影響" 表面技術. 48・10. 1025-1031 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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