活性炭の非常に微細な気孔(気孔直径(dp)がおよそ50nm以下)中にメタンの熱分解により生じた炭素を析出させ、気孔を充填した。この試料をCO2気流中で酸化させ、気孔経分布を拡大した。元の試料、これをCO2で酸化させた試料、気孔を充填した試料、気孔を充填した試料を酸化させた試料の4つの各々の試料について、N2の等温吸着脱着曲線を測定し、これを例えばメソポア-ではBJH法、マイクロポア-ではMP法等で解析した。それぞれの気孔経分布を解析した結果、気孔を充填した試料はCO2に対して耐酸化性が非常に上昇することが判明した。耐酸化性は気孔の形状の変化によることは明らかなので、これらの気孔の長さ方向の分布を求めるため、吸着ガスの気孔充填非定常モデルを作成した。気孔内の充填様式は気孔サイズにより次の2つに分けて考えた。 1)メソポア-(2nm<dp<50nm) この場合は吸着ガスは液相凝集するので気孔内部の空間を液相が充填する場合の数学モデルを作成した。 2)マイクロポア-内(dp<2nm) マイクロポア-領域における気孔内充填数式モデルの作成を行う。この場合は吸着は数分子が積層した状態となり、壁と分子の相互作用、気孔壁を形成する分子配列を考慮した。
|