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1997 年度 実績報告書

分子進化工学による多糖分解酵素の耐アルカリ性化

研究課題

研究課題/領域番号 09875199
研究機関東京工業大学

研究代表者

中村 聡  東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (50227899)

キーワードキシラナーゼ / 耐アルカリ性 / 分子進化工学
研究概要

β-1,4-キシランは陸上植物細胞壁中に多く含まれる多糖であり,単糖であるD-キシロースがβ-1,4-結合を介して鎖状に連なった構造をとる.キシランのβ-1,4-結合を水分分解する酵素がキシラナーゼである.平成9年度は,枯草菌に由来する中性キシラナーゼの分子進化工学による耐アルカリ性化を目的として,枯草菌キシラナーゼ遺伝子のクローニングを試みた.既に報告されている枯草菌キシラナーゼ遺伝子の塩基配列に基づいてPCR用プライマーを設計・化学合成し,枯草菌DB104株染色体DNAを鋳型とするPCRを行った.PCR産物をプラスミドベクターにクローニングして,枯草菌キシラナーゼ遺伝子を得た.塩基配列決定の結果,構造遺伝子領域の配列は既報の配列と完全に一致した.枯草菌キシラナーゼ遺伝子を導入した大腸菌をキシラン含有プレート上で生育させた場合,コロニーの周囲にハロ-が観察された.これより,枯草菌キシラナーゼ遺伝子がは大腸菌において発現したものと考えられた.大腸菌のペリプラズムに生産された枯草菌キシラナーゼの反応の至適はpH6.0であり,元株の枯草菌が生産した酵素と同じ性質を示すことがわかった.次に,バシラス属細菌用プラスミドpHW1を出発材料として,大腸菌-バシラス属細菌シャトルベクターを構築した.このシャトルベクターを用い,上で得られた枯草菌キシラナーゼ遺伝子を好アルカリ性バシラス属細菌C125株に導入した.枯草菌キシラナーゼ遺伝子のC125株における発現が,プレート上でのハロ-の形成・活性測定によって確認されたものの,その発現レベルはあまり高くないことが明らかとなった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Wakai 他: "Cloning and sequencing of the gene encoding the cell surface glycoprotein of Haloarcula japonica strain TR-1" Extremophiles. 1. 29-35 (1997)

  • [文献書誌] A.Ikeda 他: "Molecular cloning of the gene encoding a,2Fe-2S ferredoxin from extremely halophilic archaeon Haloarcula japonica strain TR-1" Nucleic Acids Symp.Ser.37. 109-110 (1997)

  • [文献書誌] D.Sugimori 他: "Purification and Characterization of a ferredoxin from Haloarcula japonica strain TR-1,and cloning of its gene" J.Inorg Chem.67. 250 (1997)

  • [文献書誌] D.Sugimori 他: "Purification and Characterization of a ferredoxin from Haloarcula japonica strain TR-1" World J.Microbiol.Biotechnol.(印刷中).

  • [文献書誌] 中村 聡: "好アルカリ性細菌が生産する新規キシラナーゼの分子解剖" 応用糖質科学. (印刷中).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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