珪化木を模倣した木材組織のセラミックス化に関して検討を行った。 1.乾燥した木材中にエチルシリケート(TEOS)を含浸させ、アンモニア水中にて加水分解を行うことにより、木材組織中にシリカを析出させた。この操作を所望のシリカ含有量になるまで繰り返すことにより、人工的な珪化木を作製した。 2.えられたシリカ含有木材試料をアルゴンガス中、1400〜1700°Cにて焼成することにより、木の成分である炭素を反応させ、炭化珪素(SiC)の木を作製した。 3.アルコキシドの種類をチタンテトライソプロポキシドに変え、酸化雰囲気下、1000〜1400°Cにて焼成することにより、チタニア酸化物セラミックス(TiO_2)の木を作製した。 4.温泉中での珪化木の生成に関して、長野県中房温泉、富山県立山温泉新湯、宮城県鬼首温泉等を現地調査し、採取した倒木試料について、X線回折測定、SEM観察、元素分析等を行った。また、持ち帰った温泉水を用いた木の珪化反応実験を現在継続中である。
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