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1997 年度 実績報告書

ホジトロニウムをプローブとして高分子材料の収着サイトを実測する方法

研究課題

研究課題/領域番号 09875241
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 泰男  東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (40011150)

キーワードポジトロニウム / 陽電子消滅 / 高分子 / ガス収着 / 可塑化 / 収着サイト
研究概要

高分子材料に陽電子を注入したときに形成されるホジトロニウムは、空孔に捕捉されてピックオフ消滅する。この場合、ポジトロニウムの強度と寿命は、それぞれ、空孔の数とサイズに関係しているとされるが、精密に考察すると問題は簡単ではない。ポジトロニウムの質量が小さいので空孔の中の零点エネルギーが高い、という量子力学的な性質のために、ポジトロニウムはより大きい空孔に移動しやすく、あるいは、周囲の分子を押しのけて空孔を拡大させることが原理的に可能である。このことが事実だとすると、ポジトロニウムの寿命から高分子材料中の固有の空間の大きさを求めることに問題が生ずる。しかし、このことを逆に利用すれば、高分子材料にゲスト分子が収着されて可塑化されたサイトには、ポジトロニウムが強く引きつけられて、その寿命が長くなるという形で収着サイトが観察されることになる。
このような予見にもとづいて、ガラス状態の高分子材料(ポリイミド)にCO_2を収着させて陽電子消滅寿命測定を行った。ポジトロニウムの強度・寿命は初めLangmuir型の収着に対応してCO_2の圧力と共に減少していった。しかしより高圧では、強度・寿命ともに増大するという重要な現象が見られた。これは収着サイトでゲスト分子が溶け込んでいき、局所的な可塑化が起きたことに対応する。
本研究の初年度では、同様の実験を異なる種類の高分子材料に対して行い、この知見が一般的なものであるかどうかを検証することに重点を置いた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Ito: "Vacancy Spectroscopy of Polymers Using Positronium" ACS Symposium Series "Glassy Polymers". (印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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