研究概要 |
生体内のメイラード反応で生じる水溶性ヒドロペルオキシドの検索を行った。はじめにグルコースとアミノ酸によるメイラード反応で、ヒドロペルオキシドとして過酸化水素の他にピロンヒドロペルオキシド(3-ヒドロキシ-5-ヒドロペルオキシ-2-メチル-5,6-ジヒドロピラン-4-オン)を新たに同定した。化学発光検出-高速液体クロマドグラフィー分析により、ヒト血中にもこの新規水溶性ヒドロペルオキシドの存在が確認され、とくに糖尿病などの高血糖状態で多く出現することがわかった。また、このヒドロペルオキシドは血清アルブミンを変性させ反応性リジン残基が低下し、またリポ蛋白のアポ蛋白を変性する活性のあることが見出された。高血糖における動脈硬化発症に今回見出した水溶性ヒドロペルオキシドの関与が推定された。
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