研究課題/領域番号 |
09876061
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 勉 神戸大学, 農学部, 助教授 (20144602)
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研究分担者 |
内田 一徳 神戸大学, 農学部, 教授 (80111946)
阪口 秀 神戸大学, 農学部, 助手 (10235145)
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キーワード | 異方透水性 / 浸透流 / 透水楕円 / 一次元拘束流れ / 誘導動水勾配 |
研究概要 |
土粒子が水中で堆積し圧密して生成された自然地盤や締固めて造られた盛土地盤は方向によって透水係数が異なることが知られている。このような地盤や土構造物中に浸透流が生ずると特異な流れを起こし流量や安定性に大きな影響を及ぼすことが知られている。ここではまず、異方浸透流に関する文献を収集・整理し自然地盤、人工地盤、実験地盤などにおいてどの程度異方透水性が存在するのかについて考察した。 次に、土が異方性を有することによりダムや地盤中の浸透流にどのような影響を及ぼすかについて数値解析的に考察した。そして、異方性の値が大きくなると、流量の増大、浸潤線・浸出点の上昇、等ポテンシャル線の広がり、浸透破壊に対する安定性の低下が起こることを明らかにした。 次に、異方透水性の発現マカニズムを明らかにするために、二次元異方性土に関して透水試験における供試体中の浸透流特性を数値解析的に明らかにした。そして、一次元拘束流れの概念、流れ方向の透水係数、誘導動水勾配について明らかにした。圧力型の透水試験における透水楕円の形状、誘導動水勾配の発生と挙動については第33回地盤工学研究発表会にて論文発表する予定である。 地盤の異方透水特性や異方性発現マカニズムは数値解析的には次第に明らかになってきたが実際の地盤においてそのような現象が起こるかどうかについて検証する必要がある。ここでは、新たに異方透水試験装置を試作した。現在異方透水性を有する供試体作製方法を考案中であり、試料の選定を行っているところである。この装置を用いて、理論的考察や数値解析結果から得られた一次元拘束流れの概念、流線方向の透水係数、誘導動水勾配が実際に存在するのかどうかについて実験的に明らかにして行く予定である。
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