(1)非接触型生体遺伝子導入装置は第一高周波(株)のプロトタイプのHPF-01型試作機を、また導入レポーター遺伝子にはSCV40プロモーターの下流にウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子を連結したプラスミドDNA(pSVRluc)を用いた。また、実験動物には当初ニワトリヒナ、ニワトリ胚、あるいは産卵ニワトリを用いる予定であったが、飼育施設の不備などの理由で、平成9年度はマウスを用いて実験を行った。 (2)遺伝子導入組織には左右の足筋(gastrocnemius muscle)とした。その理由はいろいろな組織のうち最も導入が容易で発現強度が高いことが予想されたためである。 (3)7-8週齢のICR雄マウスの後肢の足筋に5μgのpSVRlucを注射し、ついでさまざまな条件で高周波をかけ、24時間後に導入部位の筋肉サンプル中のルシフェラーゼ活性をphotoncounterによって測定した。 (4)高周波のによって組織に誘導されるエネルギーを仮に高周波発生装置にかかる電圧(volts)の2乗とパルス幅(msec)とパルス回数の積に比例すると考えると、この値が1000以上になると遺伝子発現量はまったく高周波をかけない場合と比べて有意に低下した。一方上記の値が1000以下の場合でパルス幅を0.01msecから0.1msecまで変動させた場合、0.01msecで高周波を全くかけない場合の約4倍程度の遺伝子発現が確認された。現在この結果の再現性についてさらなる調査中である。
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