研究概要 |
我々の開発したMexican hairless dog由来のヘアレス犬を用いて、最初に太陽光および人工紫外線暴露に対する皮膚反応を明らかにした。ついで、4種類の農薬(PCP,DCPAA,Maneb,Zineb)の1週間連続塗布による皮膚反応およびこれらの農薬塗布と紫外線照射(農薬塗布前日に1回照射)との複合作用による皮膚反応を検索した。その結果、最終塗布1日後には、DCPPAおよびManeb処置部表皮に軽度な変化がみられ、紫外線照射部位ではこれにメラニン色素沈着が加わった。最終投与2週間後には、Maneb処置部皮膚で明瞭な表皮の変性、真皮内炎症細胞浸潤が認められ、こうした変化の程度は紫外線照射部位でより高度であった。こうした結果から、ヘアレス犬は農薬と紫外線照射との複合作用を解析する上で有用な試験系であることが示された。目下、過酸化水素に対する皮膚反応について検討中である。 一方、ヘアレスラットについては、最初に過酸化水素に対する皮膚反応の特徴を明らかにし、ついで、現在、紫外線に対する反応および農薬に対する反応を検討中で、その後に紫外線と環境化学物質との複合作用について検討する予定である。
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