研究概要 |
哺乳類雄性生殖細胞の分化は、体細胞分裂を行う精原細胞が精母細胞へと分化して減数分裂し、更にハプロイドの精子細胞が成熟精子へと形態変化をとげる複雑な過程である。本研究では、in vitroで減数分裂の開始及び進行を定量的に解析できるマウス生殖細胞共培地系の開発を試みた。 1.HofmannとMillanの樹立した生殖細胞株GC1及びGC2を入手し、32,37,39度、いろいろな酸素濃度、ホルモン添加条件下で培養しフローサイトメトリーによりハプロイド細胞の出現の有無を検討したが、出現は認められなかった。ついでセルトリ細胞株TAMA26との共培地を行ったが同様の結果であった。GC1及びGC2細胞からサブクローンをとって更に検討中である。 2.すでに樹立されているセルトル株細胞の単層培養上に、純化したSpermatocyteの重層を試みたが、純化課程で細胞の生存率が低下し減数分裂の観察ができなかった。至適条件を検討中である。6週令雄マウスの生殖細胞にX線照射をして、新しいセルトリ株細胞の単層培養上に継代を繰り返したが、生殖細胞株は得られなかった。なお、新たなセルトリ細胞株は樹立できた。 3.GC1,GC2細胞に遺伝子を導入、発現させるのに最適のプロモーター、導入条件を決定した。さらにIn vivo個体で、生殖細胞に発現が見られるか検討中である。
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