室傍核におけるニューロペプチドY分泌 脳内微小還流法をもちいてラット室傍核の組織間液を経時的に採取し、含まれるノルアドレナリン(NA)とニューロペプチドYをそれぞれ高速液体クロマトグラフィーおよびRIAで測定した。ラットの給餌を明期の2時間に制限する周期的制限給餌を2週間つづけると、給餌直前のノルアドレナリンおよびNPY分泌が自由摂食時に比較し有意に上昇するが、給餌後は自由摂食時のレベルの戻った。一方、2日間の絶食でも室傍核におけるNAおよびNPY分泌は上昇した。 カテコールアミン作動性ニューロンの役割 室傍核で分泌されるNPYは視床下部弓状核由来のものと、脳幹から上行するカテコールアミン作動性ニューロン由来のものがある。そこでカテコールアミン作動性ニューロンを選択的に破壊したラットを用いて室傍核NPY分泌を測定したところ、周期的制限給餌でみられた給餌直前の分泌亢進は認められなかった。一方、2日間の絶食によるNPY分泌の亢進はカテコールアミン作動性ニューロンを破壊したのちも認められた。 ラット室傍核の細胞培養 幼弱ラットの室傍核を分散培養し、培養液中に分泌されるコルチコトロピン放出ホルモン(CRH)を測定した。自由摂食の母ラットから出生したラットでは、CRHに有意な変動は認められなかった。
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