研究課題/領域番号 |
09877041
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
高橋 清実 岩手医科大学, 医学部, 助手 (80179481)
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研究分担者 |
佐藤 孝 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20170756)
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キーワード | AIDS / HIV / 空胞性脊髄症 / PCR / in situ hybridization / RT-PCR / in situ hybridization / TNF-α / マクロファージ / ミクログリア |
研究概要 |
死後13時間以内に剖検されたAIDS患者の脊髄をホルマリン固定後パラフィン包埋し、5μmに切った切片を用いた。HE染色切片で空胞化の程度により、空胞性脊髄症(VM)をgrade I〜grade IIIに分け、各gradeから3例ずつ計9例と、コントロールとしてVMのないAIDS患者およびHIV抗体陰性者の脊髄切片を用いた。 多核(巨)細胞の見られる、いわゆる“HIV myelitis"を伴う症例では、一部の多核細胞の核およびミクログリア小結節内のマクロファージ/ミクログリア(Mφ/MG)の核にHIV-1 proviralDNA(gag領域)が、PCR/in situ hybridization(PCR/ISH)法により検出された。そのミクログリア小結節近傍の空胞性変性部位におけるMφ/MGにおいても、少数ではあるが同じくHIV-1proviral DNA陽性の細胞がみられた。しかしoligodendrogliaにおける陽性細胞は明らかではなかった。また“HIV myelitis"のないVMでは、空胞性病巣部におけるHIV感染細胞は明らかではなかった。(未発表) HIV感染者における中枢神経障害の間接的な病因の一つとして、サイトカインーー特にTNF-αの関与が考えられている。RT-PCR/ISHにより、TNF-αのmRNAの発現および局在について検討した。TNF-α mRNAはおもにMφ/MGに検出された。VMのあるAIDS症例では、VMのないものより多くのMφ/MGに発現していた。さらに症例を増やし、空胞性変性との関連および他のサイトカインmRNAの発現について検討しなければならない。
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