研究概要 |
遺伝子銃(Bio Rad,PDS-1000He)によるマウス皮膚への遺伝子導入至適条件についてCAT遺伝子発現を指標として検討を行った。マイクロキャリアーを加速する圧力については1550psi,1800psi,2000psiの3条件について検討を行ったところ2000psiが最も高いCAT遺伝子発現を認めた。さらに遺伝子導入時の減圧については10He,15He,20Heのうち20Heが最適であった。以上のCAT遺伝子を用いた至適条件の結果は組織学的観察と一致しておりこのことから遺伝子銃による遺伝子導入の至適条件は圧力2000psi、減圧20Heであることが明らかになった。 以上の条件でSERA遺伝子を用いたDNA免疫実験を行った。4種類のマウス(A/J,C57BL/6,BALB/c,C3H)にSERA DNA免疫を行ったところBALB/cにおいてのみ有為なSERA蛋白に対する抗体産生が認められた。DNA免疫の効果を増強する目的でIFN-γ,IL-4,IL12及びGM-CSF発現プラスミドを作製しそれらサイトカイン発現プラスミド共導入によるSERA蛋白に対する抗体価および抗体サブクラスへの影響について検討を行った。SERA特異的IgG抗体価はいずれのサイトカイン発現プラスミドでも産生増強作用が認められた。抗体サブクラスについてはIgG2aレベルにおいてIFN-γ又はIL-12発現プラスミドを共導入することによりSERA DNA免疫単独に比べ3倍以上の抗体価の上昇が認められた。これらの結果からサイトカイン発現プラスミド共導入によりDNA免疫により惹起される免疫応答の増強及びその制御が可能であることが明らかになった。
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